土壁は日本の伝統的な壁で、調湿効果や耐火性などのメリットがありますが、経年劣化やひび割れなどでリフォームを考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、土壁のリフォームは費用が高かったり、専門的な技術が必要だったりと、なかなか手が出しにくいものです。そこでこの記事では、土壁のリフォームをDIYで簡単にする方法をご紹介します。
ベニヤや100均の材料などを使って、土壁をどうにかしたいという方におすすめの方法です。クロスやペンキ、珪藻土や漆喰などを使って、自分で土壁をリメイクしてみましょう。
費用や工期の目安、手順や注意点なども詳しく解説します。土壁のリフォームで和室から洋室に変えたいという方も必見です。
土壁のリフォームをDIYで簡単にする方法を知りたい方は、ぜひこの記事をお読みください。
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- 土壁のリフォーム費用の相場や工期の目安
- 土壁と砂壁の違いと見分け方
- 土壁のリフォーム費用を安くする方法(火災保険の利用など)
- 土壁のリフォーム方法の種類と手順(ペンキ、クロス、漆喰など)
土壁のリフォームをDIYでさくっと簡単にする方法とは?
和室の壁として使われることが多い土壁。自然素材ならではの風合いや職人の仕上げ技術によって異なるさまざまな表情が魅力ですが、その反面、衝撃や経年劣化によってヒビが入ったり、土が落ちてお掃除が大変といったトラブルにお困りの方も多いようです。
この「土壁をどうにかしたい」と考える方に向けたリフォームの方法をご紹介します。土壁のメリットやデメリット、リフォームの方法や費用、工期などについて詳しくご案内していきます。
・補修や塗り直しで元の風合いを残す
・100均でできる簡単な方法
・クロスで壁紙を貼るメリットと注意点
土壁のメリットとデメリットを知ろう
まずは、土壁の特徴やメリットとデメリットについておさらいしておきましょう。土壁とは、下地から表面までを土でつくった壁のことです。土壁の原料には土のほか、藁などの繊維がある植物なども用いられています。
土壁のメリットは以下の通りです。
多彩な表現が可能
土壁は、土の種類や左官職人のコテ模様の付け方などで千差万別のテクスチャを表現することが可能です。また、土の色を変えたり、色ガラスや貝殻などの素材を混ぜ込むことで、オリジナルの壁をつくることもできます。
耐火性が高い
土壁は、燃えることのない素材のため火に強く、火災の延焼を防ぐ効果が期待できます。
調湿効果がある
土壁は、湿度の高い時は吸湿し、反対に乾燥している時は加湿してくれるため、お部屋の中の湿度をある程度一定に保つことが可能です。これにより、カビやダニの発生を抑えたり、空気の乾燥による肌や喉のトラブルを防いだりすることができます。
アレルギーやシックハウス症候群になりにくい
土壁は自然素材を用いており、壁が湿気を吸湿する際にアレルギーなどの原因となるアンモニアやホルムアルデヒドなども併わせて吸収してくれるため、アレルギーやシックハウス症候群になりにくい環境が期待できます。
土壁のデメリットは以下の通りです。
掃除の手間がかかる
土壁は、表面の土が乾燥して割れたり、衣類やカーテンに付着するなどの影響があります。また、こうした経年劣化やひび割れを放置しておくと、そこにダニが住み着いたりカビが発生することもあります。そのため、定期的に掃除や補修を行う必要があります。
施工・リフォームに費用がかかる
土壁の施工は基本的に職人による手作業となるため、壁紙などの張り替えと比べると費用や工期がかさむ可能性があります。
また、土壁は乾燥に時間がかかることもあり、工期は1ヶ月以上になることも少なくありません。
参考:土壁とは
補修や塗り直しで元の風合いを残す
土壁のメリットを生かし続けるのであれば、元の壁と同じ素材や似通った素材を使い塗り直しをするのがおすすすめです。
土壁のリフォームの時期は、表面の土が崩れやすくなったり、匂いが気になるような場合です。リフォーム方法は、ひび割れなどがある場合はその箇所の範囲を調べ、下地となる土を塗り込み、乾燥させたのちに複数回に分けて薄く土の層を塗ってつくり上げていきます。
この方法は、土壁の質感や色を変えずに、元の壁の良さを残しながらリフォームできるというメリットがあります。しかしデメリットとしては、DIYで行うのが難しいことが挙げられます。
土壁の補修や塗り直しの費用は、壁の状態や面積によって異なりますが、一般的には6畳ほどの和室で10〜15万円程度と言われています。
工期は、乾燥の時間を含めて1ヶ月以上かかることもあります。また、土壁の補修や塗り直しは、土の種類や塗り方によって仕上がりが大きく変わるため、専門の左官職人に依頼するのがおすすめです。
DIYで行う場合は、土の購入や配合、塗り方などに注意が必要です。また、土壁の下地が傷んでいる場合は、その部分の補強や取り替えも必要になります。
100均でできる簡単な方法
土壁のリフォームをDIYで簡単にする方法のひとつに、100均で買える材料を使う方法があります。この方法は、土壁の上にベニヤ板や発泡スチロールなどの薄い板を貼り、その上に壁紙やクロスを貼るというものです。
この方法のメリットは、費用が安く済むことや、土壁の表面を剥がす必要がないことです。また、壁紙やクロスの種類や柄を自由に選べるので、お部屋の雰囲気を変えることもできます。
しかし、デメリットとしては、土壁の厚みや凹凸によっては板が浮いたり、壁紙やクロスが剥がれたりする可能性があることや、土壁の調湿効果や耐火性が失われることが挙げられます。
100均でできる簡単な方法の費用は、壁の面積や材料の種類によって異なりますが、一般的には6畳ほどの和室で3〜5万円程度と言われています。
板や壁紙の貼り方によって異なりますが、1〜2日ほどで終わることもあります。DIYで行う場合は、土壁の状態や板のサイズや厚み、壁紙やクロスの貼り方などに注意が必要です。
また、電気配線の処理やコンセントの移動なども考慮する必要があります。
クロスで壁紙を貼るメリットと注意点
土壁のリフォームにはクロスで壁紙を貼る方法があります。この方法は、土壁の上にクロスを直接貼るというものです。
この方法のメリットは、費用が安く済むことや、土壁の厚みや凹凸を活かした立体感のある壁になることです。また、クロスには、抗菌や防音といった機能があるもの多いため、お部屋の機能性を向上させることもできます。
しかし、デメリットとしては、土壁の表面が剥がれたり、クロスが剥がれたりする可能性があることや、土壁の調湿効果や耐火性が失われることが挙げられます。
費用は壁の面積やクロスの種類や柄によって異なりますが、一般的には6畳ほどの和室で5〜8万円程度と言われています。
DIYで行う場合は、土壁の状態やクロスのサイズや貼り方などに注意が必要です。
洋室に変える場合のポイント
また、洋室に変えるという方法もあります。この方法は、土壁の上にベニヤ板や石膏ボードなどの壁材を貼り、その上に壁紙やクロスを貼るというものです。
お部屋の雰囲気を大きく変えることや、壁の強度や断熱性を向上させることができます。また、壁材には、防音や防水といった機能があるものも多いため、お部屋の機能性を向上させることもできます。
しかしデメリットとしては、費用や工期がかかることや、土壁の調湿効果や耐火性が失われることが挙げられます。一般的には6畳ほどの和室で10〜20万円程度と言われています。
工期は、壁材の貼り方や乾燥の時間によって異なりますが、3〜5日ほどで終わることもあります。
土壁のリフォームをDIYで簡単にできる素材とは?
土壁のリフォームをDIYで簡単にする方法として、別の素材で壁を塗り替える方法もあります。この方法は、土壁の上に珪藻土や漆喰といった自然素材を塗るというものです。
土壁の風合いや調湿効果を残しつつ、壁の色や質感を変えられることや、カビやアレルギーの予防にもなります。
DIYで行う場合は、土壁の状態や素材の購入や配合、塗り方などに注意が必要です。また、珪藻土や漆喰はメーカーごとに性質や塗り方が異なります。
砂壁とはどのような壁か
土壁と同じく取り上げられる壁に、砂壁があります。
砂壁とは、石膏ボートやモルタルなどの壁に糊と砂を練ったものを塗りあげたもので、和室や床の間などの壁に使われることが多いものです。
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- 多彩な表現が可能
砂壁は、色砂の色を変えたり、色ガラスや貝殻などの素材を混ぜ込むことで、土壁とは違ったさまざまな表情を表現することが可能です。また、砂の粒の大きさや塗り方によっても質感や光沢が変わります。 - 耐火性が高い
砂壁は、燃えることのない素材のため火に強く、火災の延焼を防ぐ効果が期待できます。 - 調湿効果がある
砂壁は、土壁と同様に湿度の高い時は吸湿し、反対に乾燥している時は加湿してくれるため、お部屋の中の湿度をある程度一定に保つことが可能です。これにより、カビやダニの発生を抑えたり、空気の乾燥による肌や喉のトラブルを防いだりすることができます。 - アレルギーやシックハウス症候群になりにくい
砂壁は自然素材を用いており、壁が湿気を吸湿する際にアレルギーなどの原因となるアンモニアやホルムアルデヒドなども併わせて吸収してくれるため、アレルギーやシックハウス症候群になりにくい環境が期待できます。
- 多彩な表現が可能
- 掃除の手間がかかる
砂壁は、経年劣化や衝撃によって表面の砂が剥がれ落ちてしまうことがあり、日々の掃除の手間がかかります。また、こうした経年劣化やひび割れを放置しておくと、そこにダニが住み着いたりカビが発生することもあります。そのため、定期的に掃除や補修を行う必要があります。 - 施工・リフォームに費用がかかる
砂壁の施工は基本的に職人による手作業となるため、壁紙などの張り替えと比べると費用や工期がかさむ可能性があります。
砂壁の塗り替えで色や質感を変える
砂壁のリフォームをDIYで簡単にする方法として、塗り替えがあります。この方法は、砂壁の上に色砂や珪藻土などの素材を塗るというものです。
メリットは、砂壁の風合いや調湿効果を残しつつ、壁の色や質感を変えられることや、カビやアレルギーの予防にもなることです。
DIYで行う場合は、砂壁の状態や素材の購入や配合、塗り方などに注意が必要です。
ベニヤで下地を作る
リフォームをDIYで簡単にする方法として、ベニヤで下地を作る方法があります。この方法は、砂壁の上にベニヤ板を貼り、その上に壁紙やクロスを貼るというものです。
この方法のメリットは、費用が安く済むことや、表面を剥がす必要がないことです。また、壁紙やクロスの種類や柄を自由に選べるので、お部屋の雰囲気を変えることもできます。
しかしデメリットとしては、砂壁の厚みや凹凸によってはベニヤ板が浮いたり、壁紙やクロスが剥がれたりする可能性があることや、砂壁の調湿効果や耐火性が失われることが挙げられます。
DIYで行う場合は、砂壁の状態やベニヤ板のサイズや厚み、壁紙の貼り方などに注意が必要です。
自分でできる簡単な方法
DIYで簡単にする方法として、自分でできる方法があります。この方法は、砂壁の上に壁紙用の糊を塗り、その上に壁紙やクロスを貼るというものです。
砂壁の表面が剥がれたり、壁紙やクロスが剥がれたりする可能性があることや、砂壁の調湿効果や耐火性が失われることには注意が必要です。
壁紙やクロスの貼り方によって異なりますが、半日〜1日ほどで終わることもあります。
電気配線の処理やコンセントの移動なども考慮する必要があります。
珪藻土で壁を塗る
他には珪藻土で壁を塗る方法があります。この方法は、砂壁の上に珪藻土を塗るというものです。珪藻土とは、海底に沈んだ珪藻という微生物の殻が化石化したもので、自然素材の塗り壁として人気があります。
この方法のメリットは、砂壁の風合いや調湿効果を残しつつ、壁の色や質感を変えられることや、カビやアレルギーの予防にもなることです。
また、珪藻土には、消臭や抗菌といった機能があるものも多いため、お部屋の機能性を向上させることもできます。
漆喰で壁を塗る
また、漆喰で壁を塗る方法があります。この方法は、砂壁の上に漆喰を塗るというものです。漆喰とは、石灰と水を混ぜたもので、古くから日本の建築に使われてきた自然素材の塗り壁です。
この方法のメリットは、砂壁の風合いや調湿効果を残しつつ、壁の色や質感を変えられることや、カビやアレルギーの予防にもなることです。また、漆喰には、消臭や抗菌といった機能があるものも多いため、お部屋の機能性を向上させることもできます。
漆喰の塗り方や乾燥の時間によって異なりますが、7〜10日ほどで終わることもあります。
DIYで行う場合は、砂壁の状態や漆喰の購入や配合、塗り方などに注意が必要です。また、漆喰はメーカーごとに性質や塗り方が異なるため、専門の左官職人に依頼するのがおすすめです。
費用や工期の目安
砂壁のリフォームの費用や工期は、リフォームの方法や素材の種類や厚み、壁の面積や状態などによって大きく異なります。一般的な目安としては、以下のようになります。
これらの費用や工期はあくまで目安であり、実際には業者に見積もりを取る必要があります。また、DIYで行う場合は、自分の技術や時間の確保なども考慮する必要があります。
土壁のリフォームは、自分の好みや予算に合わせて、最適な方法を選ぶことが大切です。土壁のメリットやデメリットを理解した上で、お部屋の雰囲気や機能性を向上させることができれば、快適な暮らしを送ることができるでしょう。
土壁のリフォームをDIYで簡単にする方法についてまとめ
最後に、土壁のDIYリフォームについて総括します。
- DIYで簡単にする方法のひとつとして、100均で買える材料を使う方法がある
- 土壁の上にベニヤ板や発泡スチロールなどの薄い板を貼り、その上に壁紙やクロスを貼るとよい
- 費用が安く済むことや、土壁の表面を剥がす必要がないことがメリット
- 壁紙やクロスの種類や柄を自由に選べるので、お部屋の雰囲気を変えることもできる
- 土壁の厚みや凹凸によっては板が浮いたり、壁紙やクロスが剥がれたりする可能性があることがある
- 土壁の調湿効果や耐火性が失われることもデメリットのひとつ
- 費用は壁の面積や材料の種類によって異なるが、一般的には6畳ほどの和室で3〜5万円程度
- 工期は板や壁紙の貼り方によって異なるが、1〜2日ほどで終わることもある
- DIYで行う場合は、土壁の状態や板の厚み、壁紙の貼り方などに注意が必要
- 電気配線の処理やコンセントの移動なども考慮する必要がある
最後までお読みいただきありがとうございました(*^^*)